【パンに、アクセントを。】vol.01
 あらたな「はちみつ」の文化を

シェフ 志賀が大好きなはちみつやメープルシロップの魅力や美味しいお話をシリーズで紹介していきます。
シリーズ第1回目はクインビーガーデンの小田社長との対談です。

小田社長からの依頼をうけ今回のコラボレーションとなりました。

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はちみつ・メープルシロップなどの自然甘味料をお届けするクインビーガーデン

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よろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

今回のコラボレーションをするきっかけを教えて下さい。

はちみつの存在が世の中に広がってきています。
とくに今の状況下、その良さを認識していただいており、波が来ているように思いますが、まだ上手にはちみつを使っていただけていないように感じています。
はちみつと一言で言っても百花蜜はちみつ、れんげのはちみつなど色々な種類のはちみつがあること。
それぞれのはちみつには個性があり、物語があることをもっと多くの人に知ってほしい。
その為には、はちみつの使い方を文化とすることが必要なのかなと思いました。
パンやチーズにあわせたり、お料理に使ったり・・・。
志賀さんにはメープルスイーツコンテストでずっとお世話になっていて、私の中では「パンといったら志賀さん」と思っていますので、今回は「志賀さんの目線ではちみつやメープルシロップの魅力を発信してほしい」とお願いしたわけでございます。

第14回 クインビーガーデン メープルスイーツコンテスト 表彰式の様子

クインビーガーデンでは、2006年から年に一回カナダ大使館で「メープルスイーツコンテスト」を開催しています。(今年は延期で、2021年秋を予定)
シェフ志賀は、コンテストで審査員を担っています。

表彰式の時に僕がいつも普通の人とは違う、変なことを言うのを気に入っていただけたようで・・(笑)

それが響く(笑)
単純なことを単純にやり続けるということは一番尊敬できるし、そういった意味で、志賀さんは極めてきちんとされていて、尊敬しています。

ありがとうございます(てれる)

(笑)

日本でも、はちみつは食べられていたんでしょうけどね。
ヨーロッパの食文化には、パンの周りにチーズなど色々あって、そんな中ではちみつってすごく重要な位置にあったのかなって感じがします。

そうですね。
はちみつは、人類が始まる前からあって人間が利用した歴史は、1万年以上前にもさかのぼるといわれています。
15世紀くらいまでは、はちみつと砂糖は共存していて、ルネサンス時代後期あたりで、砂糖が広く伝わり料理や菓子に使われるようになりました。
現代では、はちみつも広く普及し研究もされて、食卓で料理や菓子に使われるようになってきましたね。
そういった、歴史的背景がとても大事なことだと思っています。

「はちみつの歴史は人類の歴史」という古いイギリスのことわざがあります。
スペインで発見されたアラニア洞窟には、野生のミツバチの巣に手をのばす人が描かれていて新石器時代のものと推定されています。
紀元前2600年頃エジプトの壁画には、はちみつの採集から保存までの様子が細かく描かれています。紀元前1500年には、養蜂とともに蜂蜜入りのパン菓子を作る様子が描かれています。
養蜂と言っても現代の方法とは違い、近代養蜂といわれる、巣箱の中に何枚もの巣枠を並べた養蜂箱は19世紀にアメリカのラングストロスが開発しました。

そうですね。
それに、はちみつは色々なミネラルがあったりアミノ酸や酵素も・・・

そうですね。

身体にうれしい栄養素の宝庫
ハチミツの大部分を占めているのが糖質と水分です。注目したいのは、それ以外にビタミン(ビタミンB群、ビタミンC、葉酸など)、ミネラル(カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウムなど)、アミノ酸、有機酸、酵素をはじめ身体にうれしい栄養素がたっぷり含まれていること。たくさんの天然成分をバランス良く摂ることができるのはハチミツならではの特長です。
ハチミツのひみつ|クインビーガーデン:
https://www.qbg.co.jp/honey/secret.html

あとは、パンの場合、麦からパンにするのに今は白い粉ですけど、昔はほぼ全粒粉なわけなんですよね。
全粒粉ってうまく発酵させないと結構えぐみがあるんです。

なるほど、なるほど。

パンの歴史を見てみるとパスツールがイーストを発見するまでは、パン生地を少量残し翌日に小麦を加えて生地にしたり、ビールの搾りかすを使ったりして、発酵させていたようです。
その流れから現在の発酵種につながるのですが、発酵種の酸味や旨味のバランスを調整したり、全粒粉の独特のえぐみをうまく中和したりっていうのは、はちみつにしかできないと思っています。

そうなのですね。

小麦と水と塩のシンプルなレシピに少量のはちみつやメープルシロップを加えただけでも、食べる時にちゃんと香りがたつんですよね。
シンプルだけど、ほんのり香る。
食品の良さや奥ゆかしさがでることって一番贅沢なことで、美味しさに繋がるのではないかなと思っています。
だから、僕はメープルシロップやはちみつをちょっとだけ入れるっていうのが、とっても好きなんです。

私もはちみつの魅力は食べた後の残り香だと思っています。
みなさん、最初の香りだと思っているかもしれませんが・・・
食べる前にパンとはちみつの香りをかいで、「美味しそう」というより、食べた後の残り香をぜひ、楽しんでもらいたい。

今、パネトーネの製法をさらに追及していて、何度か試作をしています。そこにもイタリアの百花蜜<ミルフィオーレ>を使用しているんですよね。
さっき、1ヶ月経過した試作品を試食したんですけど、はちみつの香りだけが健在でした。

そうでしたか(笑)
どのパンに、どのはちみつが合うかという組み合わせの可能性は色々とあって、香りも含めて「このパンにはこのはちみつやチーズがいいよ」というものが志賀さんなら、たくさんでてくるのではないかと、楽しみにしています。

はい ^_^

パンとはちみつ、チーズとはちみつ、はちみつを使用したお料理。
はちみつやメープルシロップなどの魅力をご案内していきますので、お楽しみに☆