
イタリア伝統の発酵菓子、パネトーネ
イタリア ロンバルディア地方の伝統的な発酵菓子「パネトーネ」は、飾り気もなく素朴な外見だが、なかみは艶やかなたまご色をしている。柑橘果実や発酵による爽やかで芳醇な香りを内包する生地は、指先で柔らかくほどけ、口の中でスッと溶けていく。 伝統的なパネトーネは、サワー種の一種である「パネトーネ種」を用いて発酵させる。乳酸菌と酵母菌の共生によって、このお菓子は日が経ってもしっとりとした質感を保ち、深い芳香を放つ。常温で日持ちするので贈り物にもいい。
昔あるところに。パーネ・デ・トニー伝説

パネトーネという名称は、パーネ・デ・トニー(トニーのパン)に由来する、という昔話がいくつかある。 貴族の青年が貧しいパン職人トニーの娘と恋に落ち、貴重な材料を調達することで、トニーにおいしいお菓子を焼いてもらって店を繁盛させ、娘とめでたく結ばれる話。 物語の別バージョンは、公爵の屋敷の厨房で働くトニーの話だ。クリスマスに小麦粉やバター、果物の蜜煮などの残り物でパン生地を仕込み、家族に持ち帰ろうと考えていたトニーは、それを使っておいしいお菓子を焼くことで、デザートのケーキを焦がしてしまった職人のピンチを救う。 いずれの物語もトニーのパン菓子の輝くようなおいしさを今日に伝える。 中世の頃には、果物の蜜煮もバターも簡単には手に入らない、まさにご馳走。パネトーネは今でもクリスマスなどハレの祝日に楽しまれるお菓子だが、そのおいしさは国境を越え、世界中に広がっている。
シニフィアン シニフィエのパネトーネ
~パン職人としての熟練の技術と厳選された素材で完成させた唯一無二のパネトーネ~
●乳酸菌と伝統製法
腸内細菌を良好な状態に保つ乳酸菌が介在する発酵を大切に考えるシェフ 志賀勝栄は、 イタリアからパネトーネ種を取寄せ、種継ぎをして使用している。このパネトーネ種1gに1億個以上の植物性乳酸菌が含まれている。 シニフィアン シニフィエのパンは通常、生地に小麦粉と同量かそれ以上の水を加えるが、パネトーネには水を加えない。バター、牛乳、生クリーム、卵がそれに代わる。中種を3回継いで、製造には5日間を要する。それはミラノの伝統的な製法にシェフ志賀 独自の考えをプラスしたこだわりの製法だ。
●水・バター・卵のエマルジョンの黄金法則
生地には豊かな風味を醸す発酵バター、オーガニックシュガーや数種類の小麦粉をブレンドするなど厳選された材料を使用。また、シェフ志賀のあくなき追求心で見出された【水・バター・卵のエマルジョンの黄金法則】により、艶やかな美しい気泡のある、しっとりと溶けるような口どけのパネトーネが焼きあがる。
●季節のバリエーション 2019
シニフィアン シニフィエでは季節ごとにフレーバーや大きさをかえ、1年中パネトーネを焼いている。 定番の「レーズンとオレンジピール」のほか、この秋は「ラ フランスとぶどう」「栗と柚子」などを展開。11月に日本代表として出場したパネトーネワールドカップ「Coppa del mondo del Panettone 2019」記念パネトーネも販売中 だ (ご好評につき完売しております)。
